【3月28日 AFP】米フロリダ州のレストランで、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて閉鎖を余儀なくされる前日に訪れた客が従業員で分け合うようにと1万ドル(約108万円)のチップを支払う出来事があった。店主が明らかにした。

 同州ネイプルズ(Naples)にあるレストラン、スキレッツ(Skillets)の店主、ロス・エドランド(Ross Edlund)さんは26日、同店のフェイスブック(Facebook)ページに、こうした厚意を受けたことで今も「世界には素晴らしい人々」がいることが分かったと語っている。

 エドランドさんは地元紙ネイプルズ・デイリーニュース(Naples Daily News)に対し、先週、フロリダ州知事の指示で飲食店の閉鎖が決まった日の前日に訪れた客が店長に現金1万ドルを手渡したと明かし、「彼が誰だったのか分からない」「見つけ出そうとしている」と話している。

 エドランドさんによると、1万ドルは従業員20人で平等に分けられ、各自500ドル(約5万4000円)を受け取ったという。

 エドランドさんが所有しているスキレッツは10店舗あり、ネイプルズ・デイリーニュースに語ったところによると、従業員200人のうち90%を一時解雇せざるを得なくなっているという。8店舗は今も営業を続け、必要最小限の従業員数でテークアウトのみ受け付けている。(c)AFP