【3月28日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は27日、新型コロナウイルスと闘うための人工呼吸器など医療器具の購入を援助するために、母国に100万ユーロ(約1億2000万円)を寄付すると明らかにした。

 現在、外出禁止令が出ているスペインで家族とともにマルベーリャ(Marbella)南部で身を潜めているジョコビッチは、メディアのビデオ取材に応じ、「今回の寄付は、救命に必要な人工呼吸器や他の衛生設備を購入するためのものだ」と語った。

 広報担当者によると、普段はモナコに拠点を置くジョコビッチが家族とスペインに滞在しているのは「単なる偶然」だという。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でシーズンが混乱に陥っている中、32歳の同選手は「前向きな精神」で練習を続け、家族との時間を楽しんでいると話した。

 今季のテニスツアーは男女ともに6月7日まで中断され、全仏オープンテニス(French Open 2020)は延期が決まり、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)は延期または中止の可能性に直面している。

「父親になってから、家族とこれほど一緒の長い時間は記憶にない」と続けたジョコビッチは、テニスの話題については避け、「セルビア民族の歴史」に関する本を読みながら過ごしていると報道陣にコメント。また、「家の中で体操している動画をソーシャルネットワークに投稿する」計画も明かした。

 セルビアは現在、中国からの医療物資や医師団の派遣で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の援助を受けており、ジョコビッチは同国への感謝も口にした。「自分自身と国全体を代表して、中国に心から感謝している」

 当局の情報によると、人口約700万人のセルビアでは呼吸器疾患の新型コロナウイルスに450人以上が感染し、7人が死亡している。(c)AFP