【3月27日 AFP】米大リーグ(MLB)の公式ユニホームなどを手掛けているスポーツグッズ会社のファナティクス(Fanatics)が、本来の製造ラインを一時中断し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と最前線で闘う医療従事者用のマスクや防護服の生産に乗り出している。

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 ファナティクスのオーナーであるマイケル・ルビン(Michael Rubin)氏は、米ペンシルベニア州イーストン(Easton)にある会社の製造工場で、医療従事者のために100万枚のマスクや防護服を製造する予定であると述べた。

 最初の出荷分については、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)やフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)のユニホーム用だった生地が使われた。これらの製品は、新型コロナウイルスの流行が全米でも最も深刻なニューヨーク州とペンシルベニア州を通じて配布されるという。

 米プロバスケットボール協会(NBA)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(Philadelphia 76ers)と北米アイスホッケーリーグ(NHL)のニュージャージー・デビルズ(New Jersey Devils)の共同オーナーでもあるルビン氏は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機で、われわれの国はかつてないほど協力的かつ革新的、そして戦略的にならざるを得なくなっている」と述べた。

「マスクや防護服の需要が高まっている中で、われわれは幸運にもMLBと協力し、ウイルスを食い止めるべく最前線で闘う人々を支援する独自の方法を見いだした。彼らは現在、これらの不可欠なリソースを特に必要としている」

 ファナティクスの動きに倣いアイスホッケー用具メーカーのバウアー(Bauer) も、新型ウイルス感染患者の治療に当たる医療従事者のためにフェースシールドの生産を開始。同社のツイッター(Twitter)アカウントには、「今はわれわれ全員が同じチームだ」「会社の施設をフェースシールドの生産に切り替えることで、COVID-19と闘う医療専門家が安全に重症患者を救い続けられるようにしていく」とつづられた。

 全米の医療スタッフは、COVID-19の患者を治療する中で防護用品の不足を訴え続けている。26日の報道によると、あるニューヨークの病院では、防護服不足に対処するためにプラスチック袋を使用しているという。(c)AFP