【3月27日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のボクシング特別作業部会は26日、今月英ロンドンでの東京五輪の欧州予選開催を許可したことが新型コロナウイルスの拡散につながったとするトルコボクシング連盟(TBF)の主張に疑問を呈した。

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 TBFは、選手3人とコーチ1人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に陽性反応を示したとして、欧州予選の主催者を批判した。欧州各国からボクシングの代表候補が出場した選考会は、14日に開幕したもののわずか3日で中断。その後、東京五輪そのものが延期となった。

 TBFの会長を務めるエユプ・ゴズゲック(Eyup Gozgec)氏は、欧州予選を実施したことに強く反発し、「IOCのボクシング特別作業部会とロンドンの大会組織委員会は、昨年12月から世界の隅々で新型コロナウイルスが流行していた中で、大会を延期せずに何事もなかったかのように振る舞っていた」とAFPの取材で主張した。

 欧州ボクシング連盟(EUBC)の副会長も務めるゴズゲッグ氏によれば、トルコの選手団は欧州予選に備えるために11日からロンドン入りしていたものの、現地ではホテルやあらゆる場所においても、感染防止策は何も講じられていなかったという。

 EUBCのフランコ・ファルチネッリ(Franco Falcinelli)会長は、ボクサーが新型コロナウイルスに感染するリスクが「非常に高い」と懸念していると訴えていた。これに対して作業部会は、自らを強く擁護するコメント文を発表した。

「一部の報道では、感染した疑いがある参加者とロンドンで開かれた東京五輪のボクシング欧州予選を結びつけているようだ」「ロンドン大会は10日前の2020年3月16日に中断された。そして、作業部会は大会と感染のいかなる因果関係も把握していない」

「2020年3月14日に始まった欧州予選に向けて、多くの参加者は独自にイタリアや英国をはじめ、それぞれの母国で練習キャンプを行っていた。そして、かなり前に帰国していることから、感染源を知ることは不可能である」 (c)AFP