【4月3日 東方新報】パキスタンのアリフ・アルビ(Arif-ur-Rehman Alvi)大統領は3月16~17日に中国を訪問し、17日に習近平(Xi Jinping)国家主席と北京で会談した。双方は共同声明を発表し、新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう中でも、先行きが危ぶまれていた「一帯一路(Belt and Road)」構想の中国・パキスタン経済回廊(CPEC)プロジェクトの協力関係強化も確認され、変わらぬ中国とパキスタンの「鉄の関係」を示した。

 習国家主席は「感染症発生初期、大統領は私に慰問の手紙をくださった。今回わざわざ中国を訪問していただき、中国への堅い支持を表明してくださった。パキスタン政府と社会が全力を挙げて、中国に防疫物資を支援してくれたことを、深く感謝します。両国は困ったときに助け合える真の友人であり、苦労を共にする兄弟です」と感謝を述べた。

 また、「国際関係の風雲がどのように変化しようと、中国は終始パキスタンとともにあり、力を注いで中国パキスタンは「鉄の友情」を深めます。中国・パキスタン関係を人類運命共同体の模範にすることがさらに両国人民を幸せにするのです。中国はパキスタンの国家独立、主権、領土の完全な保全を支持し、パキスタンの国情に合致した発展の道を支持します」と語った。CPECを「一帯一路」のハイクオリティー発展のモデルプロジェクトとするために積極的に協力すること、またパキスタンのイナゴ災害に対する支援を継続することなどを約束した。

 アルビ大統領は「中国が感染症との闘いで重大かつ積極的な成果を上げたこと、パキスタン政府と国民を代表して心よりお喜び申し上げます。災害を前に、中国共産党と中国政府は卓越した指導力、強大な動員力、中国人民の犠牲恐れぬ志を見せました。中国の経験は他国に有益な参考となります。感染の収束後、中国はさらに強大になるでしょう。個別の勢力が感染を利用して中国に汚名を着せたり、孤立させたりしようとしても、人心を得ることはできないし、うまくいきません。パキスタンと中国は困難を共にする『鉄の兄弟』です」と強調。CPECの建設協力を深めると同時に、中国とアンチテロ協力を継続して推進し、国際社会でともに公平正義を守ると約束した。

 今回のパキスタン大統領の中国訪問の意義について、外交部の耿爽(Geng Shuang)報道官は、「アルビ大統領就任後、初の訪中であり、中国政府と人民がまさに新型ウイルスとの闘いで最後の勝利を勝ち取ろうと努力奮闘している特殊な時期でのこの訪問は、中国・パキスタンの特殊な友情を改めて明らかにした。この訪問はいきいきと中国パキスタンの『鉄の関係』を説明しているだろう」と高く評価した。

 報道官によれば、アルビ大統領訪問の最も主要な目的は、中国の友人たちに対する支持と信頼を表明し、国際社会に対して中国の感染症に対する闘いの巨大な成果をアピールして、中国が全世界の公共衛生安全のために積極的な貢献を行っていると知らしめることだという。

 また、今回の訪問によって、中国とパキスタンがお互い助け合うという良き伝統を示すことができたと評価した。「感染症が発生したとき、パキスタンは全国力を挙げて、中国に支援を提供し、中国側はこのことを忘れない。中国人は一滴の水の恩も湧き出る泉のようにお返しする。現在、中国の感染状況は好転しており、パキスタン国内の感染例が増加しており、感染予防圧力に直面している。中国指導者はパキスタンの必要に応じて、可能な限り支援を提供していくことを明確にした。両国指導者の共通認識に従って、パキスタン人民のために、感染症やイナゴ災害に対する援助、支援を継続的に提供する」という。

 さらに、双方は感染症予防コントロールの経験、防疫と経済社会発展の統括、外部経済金融リスクとCPECを含む重大な協力への対応について意見交換したという。双方はCPEC連絡委員会のもとで科学技術作業チームと農業工作チームの増設についての備忘録に署名し、CPECの枠組みのもと、関連領域の協力を発展させるとした。

 報道官は「短い訪問だったが、特殊な状況下での訪問であり、意義は重大だ。中国とパキスタンの伝統的友好と互恵協力関係が増進された」「中国とパキスタンは新型ウイルスとイナゴ災害の中で同じ船に乗って助け合う仲であることを物語る友情話は数えきれない。まさに両国人民の中で友好的感情が深く育っているところで、中国とパキスタンの発展のための最も堅実な基礎となり、また人類運命共同体樹立の推進のための模範だ」と中国とパキスタンの関係をたたえた。(c)東方新報/AFPBB News