【3月20日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の今季第7戦モナコGP(Monaco Grand Prix 2020)が19日、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的な大流行)の影響で中止が決定した。モータースポーツ界において輝かしい伝統を持ち、65年連続でF1カレンダーに名を刻んでいた同グランプリは5月24日に行われる予定だった。

 また、第5戦オランダGP(Dutch Grand Prix 2020)と第6戦スペインGP(Spanish Grand Prix 2020)も延期が決まった。

 モナコ自動車クラブ(ACM)はコメント文を発表し、「もはや開催を維持できる状況ではない」とすると、「世界的なこの危機の重大性を慎重に考慮した結果、非常に残念ながら当取締役会は今回の決断を下した」と説明した。

 ルマン24時間耐久レース(Le Mans 24 Hour Race)とインディアナポリス500(Indianapolis 500)とともに、世界三大レースの一つであるモナコGPが行われないのは、1954年以来となる。

 富豪の行楽地として知られる南仏コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)の高級住宅街で、風のごとく通りを走り抜けるモナコGPの名誉ある勝者には、同レース通算6勝のアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏や同5勝のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏がいる。2019年はメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が優勝し、同シーズンには通算6度目の世界タイトル獲得を果たした。

 今季のF1は開幕戦オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2020)が中止され、第2戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2020)と第3戦ベトナムGP(Vietnam Grand Prix 2020)、そして第4戦中国GP(Chinese Grand Prix 2020)に続いてオランダGPとスペインGPが延期となり、モナコGPは中止に追い込まれた。

 F1カレンダーに35年ぶりに復帰したオランダGPは、当初5月3日にザントフォールト・サーキット(Circuit Zandvoort)で開催される予定で、その翌週にはスペインGPが控えていた。両レースの主催者は今後、今季後半の代替可能な日程を模索していくことになる。

 F1と国際自動車連盟(FIA)は、2020年シーズンの開幕について「5月を過ぎて安全が確認され次第」との見通しを立てている一方で、引き続き状況を注視していくとしている。現段階で最も早いシーズンの開幕は、6月7日に予定されているアゼルバイジャンGP(Azerbaijan Grand Prix 2020)となっている。(c)AFP