【3月16日 Xinhua News】中国の電子商取引(EC)大手アリババグループ(Alibaba Group)傘下の阿里雲(アリババクラウド)は13日、同社が率先して研究開発した病原体メタゲノム検査プラットフォームを武漢市(Wuhan)金銀潭医院に導入したと発表した。これにより、新型コロナウイルスとその他1万6800種以上の病原微生物の全ゲノム配列検査ができるようになり、新型肺炎が引き起こす続発、併発感染の病原体の迅速な発見や、正確な診断支援、治療効率の向上、死亡率の低減が可能になる。

 同医院は今回の新型コロナウイルスの感染発生で、重症・重篤患者を最も多く受け入れた病院の一つとなっている。研究によると、感染者の約20%で重症化の傾向が見られた。時間の経過に伴い、これら重症患者にはさまざまな病原微生物が引き起こす合併感染のリスクがあることが判明。感染原因を発見し、症状に応じた治療ができなければ、予後が悪くなるだけでなく、患者が死亡する恐れもある。

 阿里雲によると、同プラットフォームは阿里雲医療人工知能(AI)技術を搭載し、1万6800種以上の病原微生物の全ゲノム配列の比較分析が可能。阿里雲、アリババグループ傘下先端科学技術研究機関の達摩院(DAMOアカデミー)、杭州傑毅生物技術、因美納(イルミナ)科学器材が共同で立ち上げ、金銀潭医院に無料で提供した。

 達摩院のアルゴリズム専門家、顧斐(Gu Fei)博士は「シーケンスの比較分析段階でアルゴリズムモデルを最適化し、最終的に適合率が99%以上に達した」と指摘。達摩院では現在、次の段階のAIアルゴリズムを開発しており、このアルゴリズムが病原体を識別し、1万6800種以上の病原種から重大な病気を引き起こす病原体を選別できると説明し、今後この技術をインフルエンザなど感染症の診療に幅広く応用できると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News