【3月10日 AFP】女子ボクシング、通算6度の世界選手権(AIBA Women's World Boxing Championships)制覇を誇るインドのメリー・コム(Mary Kom)が9日、東京五輪の出場権を獲得した。金メダルを目指すコムにとって、東京五輪はその輝かしいキャリアで最後のチャンスになるとみられている。

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 ヨルダンの首都アンマンで開催されている東京五輪アジア・オセアニア予選の女子フライ級準々決勝で、37歳のコムはフィリピンのアイリッシュ・マグノ(Irish Magno)に5-0の判定勝ちを収めた。

 第1ラウンドで互いに出方を見た後、経験豊富なコムは力強いカウンター攻撃を駆使して第2、第3ラウンドを簡単に奪った。試合が終わると、「東京2020出場権獲得」と書かれたカードを指さしてキスした。

 3人の子どもを持つ母親でもあるコムは、ウェブサイトのオリンピック・チャンネル(Olympic Channel)に対して、「このためだけに、ずっと練習に励んできた」「たくさんの試練を乗り越えなければならなかった…。夢はほとんどかなった」とコメントした。

 インドボクシング連盟(BFI)はコムについて、「伝統的なボクシングのカウンター攻撃で試合の勝ち方を披露」した「一流選手」と公式ツイッター(Twitter)に投稿した。

 また、ファンもソーシャルメディアでコムを称賛し、「あなたにさらなるパワーを!! あなたの根気と決意はインドの誇り」「おめでとう、メリー・コム。あなたは本物のチャンピオン。栄光に向かって進め」といった声が上がっていた。

 2001年に第1回大会が開催された女子の世界選手権で銀メダルを獲得し、華々しく国際デビューを飾ったコムは、その後同大会で5連覇を達成。2014年の第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)と、2018年のコモンウェルスゲームズ(2018 Commonwealth Games、英連邦競技大会)でも金メダルを手にした。

 女子ボクシングが初めて実施種目となった2012年ロンドン五輪では、母国に銅メダルをもたらした。(c)AFP