【3月7日 AFP】中東エルサレム(Jerusalem)から、サウジアラビアにある聖地メッカ(Mecca)に至るまで、中東各地では6日、新型コロナウイルスの影が差す中、金曜礼拝が行われた。だが一部では感染拡大を受け、中止や規模縮小の措置が取られた。

 新型コロナウイルスは濃厚接触によって感染するとみられており、各国では当局が、公の場での礼拝などを含む大規模な集会を制限する措置を取っている。

 イスラム教の聖地であるメッカでは、消毒作業を経て6日に再び開放されたが、人々で混み合う様子は見られなかった。

 メッカに20年以上暮らしているというエジプト人の信者はAFPに対し、「人けがないという事実は非常に恐ろしい」と述べ、「モスクへ向かう際、とても奇妙で複雑な感覚を抱いた。カーバ(Kaaba)神殿が奪い去られたような感じだ」と語った。

 メッカの聖モスク(Grand Mosque)内にある、四角型の黒い大きな構造物であるカーバ神殿の周辺は5日、消毒作業のために封鎖されていた。

 聖モスクでの金曜礼拝には通常、数十万人もの信者が訪れるが、今週はわずか数万人が参加したのみだったという。

 モスクのイマーム(宗教指導者)は、礼拝での説教で新型コロナウイルスの流行が終結するよう祈るとともに、サウジアラビアが新型ウイルスへの懸念から、時期を問わずに行われる小巡礼「ウムラ(Umrah)」を中止した決断を称賛した。(c)AFP/Majeda El-Batsh