【3月7日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで6日、2人組の男が政治集会を銃撃し、約30人が死亡した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。米国が先週末、アフガンからの軍部隊撤退で同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)と合意に達して以降、最多の死者を出す襲撃事件となった。

 今回の事件は、アフガンからの外国部隊の全面撤退が1年2か月後に迫る中で、カブールの治安が不安定である状況を浮き彫りにした。さらに、米軍撤退後の同国でISなどの過激派による攻撃を止める力がタリバンにあるかどうかという疑念も生じている。過激派の抑止は、先月29日に米国とタリバンが交わした合意で重要な要素の一つだった。

 保健省の報道官はAFPに対し、事件はカブール西部で多数が参加していた集会で発生し、32人が死亡、58人が負傷したと説明。一方、内務省の報道官は、死者は29人、負傷者は61人で、特殊部隊が一掃作戦を実行して犯人2人を殺害したと述べている。

 会場では、イスラム教シーア派(Shiite)が多数を占める少数民族ハザラ人(Hazara)の政治家アブドゥル・アリ・マザリ(Abdul Ali Mazari)氏の追悼式典が開かれていた。昨年開かれた同式典も迫撃砲による襲撃を受け、少なくとも11人が死亡、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派ISが犯行声明を出していた。(c)AFP