【3月5日 AFP】新型コロナウイルス感染拡大への懸念が高まるベトナムで、動画共有アプリ「ティックトック(TikTok)」に手洗いの必要性をキャッチーな歌と踊りで表現した動画が投稿され、200万回以上の視聴数を稼ぐなど大きな話題となっている。

 歌はベトナム人歌手のエリック(Erik)とミン(Min)が歌うポップソング「Ghen(嫉妬、の意)」をアレンジしたもので、コロナウイルスの感染防止を呼び掛けるため同国保健省がアニメーション仕立てにした動画で発表していた。

 ティックトックにはこの歌に乗せて正しい手洗いのやり方をダンスで伝える動画が登場し、これに若者たちが夢中になった。

 手洗いダンスを踊る人を撮影した動画が次々と投稿され、中には職場のデスクで踊る会社員たちや、ベトナムの少数民族モン(Hmong)の衣装を着て滝の前で踊る人々を捉えた動画もあった。

 人気に火を付けたのは、ティックトックとインスタグラム(Instagram)で30万人近いフォロワーを持つ、ダンサーでネットアイドルのクアン・ダン(Quang Dang)さん。クアン・ダンさんは屋台が並ぶ通りで、もう一人のダンサーと軽妙なパフォーマンスを披露していた。

 歌詞では手を洗う時にはむらなくこする、混雑した場所に行くのを控えるなど、感染防止の方法が紹介されている。

 動画に添えられた保健省のコメントには「最前線で日々闘っている専門家や医師、医療関係者、何百万人もの労働者たちをこの曲によって元気づけ、さらには緊張を解きほぐしてあげたい」「ベトナムはこの感染拡大に勝ち抜く決意だ!」と記されている。

 共産党一党支配体制のベトナムでは若者の人口が急増しており、人口9700万人のうち35歳未満が3分の2を占める。

 新型コロナウイルスの感染者はこれまでに16人確認されているが、当局は全員が回復し、退院したとしている。

 映像は同国保健省が発表したアニメーション。3日提供。(c)AFP