【3月5日 AFP】トルコは4日、欧州連合(EU)に対し、ギリシャとの間で発生した新たな移民問題を解決する条件として、シリアで実施している軍事作戦への支援を要請した。欧州各国からEUを「脅迫」していると批判を受けたが、トルコはこれをはねつけた。

 レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は先週、移民・難民がトルコから欧州に向かうことを容認する発言を行い、トルコとギリシャの国境付近には1万人を超える規模の移民が集結。警察との衝突も発生する事態となっている。

 エルドアン大統領は、ロシアの支援を受けたシリア政府軍がシリア北部を攻撃し、トルコ軍兵士34人が死亡したことを受けてこの発言を行った。同大統領はこれを契機に、国際社会からのさらなる支援を要請している。

 一方EUの指導者らからは、欧州に100万人を超える難民が流入した2015~16年の移民・難民危機の再来を懸念する声が出ている。

 トルコ当局は、パザルクレ(Pazarkule)の国境検問所付近で緊張が高まる中、ギリシャ側から実弾が発射され、移民1人が死亡、5人が負傷したと主張した。ギリシャ側はこれを強く否定した。

 だが現場のAFPカメラマンは、移民の一団がフェンスを越えて前進しようとした際、そのうちの1人が足を撃たれたのを目撃した。この銃撃が実弾あるいはゴム弾のいずれであったかは確認できていない。

 その一団がギリシャ警察に向かって投石すると警察は催涙ガスで応戦。複数回にわたって発射音と叫び声が聞こえた。(c)AFP/Raziye Akkoc