【3月5日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)の昆明(Kunming)医科大学第一付属医院で2日、雲南省感染症医院と結んだ特別な遠隔診療が行われた。両病院の専門家らが第5世代移動通信システム(5G)を使った3次元デジタル立ち会い診察システムを通じ、56歳の新型コロナウイルスによる肺炎患者への診療を実施した。

 VR(仮想現実)ゴーグルをかけた医師の目の前に、新型肺炎患者の肺が3次元立体画像で出現した。ハンドル操作だけで上下左右の移動や拡大・縮小、360度立体回転が可能で、肺の病巣がはっきりと表示されている。この診察には、デジタル化された3次元再構成やAR(拡張現実)技術、3Dプリント技術、5G技術など多くのハイテク要素が使われた。

 昆明医科大学第一付属医院の王昆華(Wang Kunhua)院長は「今回の遠隔立ち会い診察は、ARや5Gインターネットを使った新型肺炎の遠隔立ち会い診察システムが、雲南省で初めて本格的に稼働したことを意味する」と説明。同システムが1組の立体的な「透視眼」に相当し、医師が患者の肺の外側や内部の微細な構造をはっきりと視認し、肺の病巣を直接観察するのを支援することで、より正確な治療につなげると述べた。

 雲南省感染症医院の董興斉(Dong Xingqi)院長は「感染の予防・抑制に当たるこの特別な時期に、医師同士が非接触の形で作業することで、仮想世界と現実世界をリアルタイムで同期させ、立ち会い診察の即時性と双方向性を高めている」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News