【3月4日 AFP】欧州議会(European Parliament)が新型コロナウイルス対策として部外者の議事堂訪問を一時停止する中、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(17)の演説が予定されていることに対し、3日、議員らから非難の声が上がった。

 欧州議会のダビド・サッソリ(David Sassoli)議長は2日、議事堂への全ての訪問を即時停止すると発表。この措置は観光客だけではなく、来賓や議員助手、ロビイストらにも適用されるとした。だが、4日に予定されるトゥンベリさんの演説にはこれまでのところ変更はない。

 この件についてポルトガル選出のヌーノ・メロ(Nuno Melo)議員は3日、サッソリ議長に宛てた書簡で、「健康リスクについて人間は民主的に平等」であり、「例外」を認める根拠は何かと問い詰めた。

 またベルギー選出のリベラル派、ヒルデ・バートマン(Hilde Vautmans)議員も別の書簡で「われわれの訪問客や招待客にどう説明すればよいのか」と苦言を呈し、「全員が平等に扱われるべきだ。欧州議会がグレタ・トゥンベリさんに例外を認めるならば、この議会は軽んじられるようになる」と述べた。

 欧州議会の広報はAFPの取材に対し、トゥンベリさんの演説をめぐる「決定は特定の個人に関するものではない」「欧州議会の公的機関の長に特別に招待された講演者は誰であれ、『その個人が衛生規定を尊重するという条件で』出席を許可される」と説明した。

 ツイッター(Twitter)では、フランス選出のナタリー・コリンエスターレ(Nathalie Colin-Oesterlé)議員がトゥンベリさん招待に驚いた様子で、「私の助手は(来週)ストラスブールで行われる総会への同行を許可されていないのに、トゥンベリさんは明日そこへやって来る」と投稿した。(c)AFP