【3月2日 AFP】オーストラリアのシンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所(Australian Strategic Policy Institute)」は2日、世界のトップ企業に供給される材料や部品を製造している中国の工場で、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の収容施設から移送された8万人以上のウイグル人が強制的に働かされているとの報告書を発表した。報告書では供給を受けている企業として米アップル(Apple)、独BMW、ソニー(Sony)などの名前が挙げられており、今後、各企業の経営にも大きな影響を与える可能性がある。

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 オーストラリア戦略政策研究所は「テクノロジー、衣料、自動車産業の世界の有名企業、少なくとも83社のサプライチェーンに組み込まれている工場でウイグル人が働いている」と指摘し、「中には中国政府の労働者移送政策の下、ウイグル人を強制労働させている工場もあり、世界のサプライチェーンを傷つけている」と非難している。

 同研究所は供給先の企業としてアップル、BMW、ソニーのほか、米アパレルのギャップ(Gap)、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、Huawei)、米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)、韓国電機大手サムスン電子(Samsung Electronics)、独フォルクスワーゲン(Volkswagen)などの名前を挙げている。

 また「ウイグル人を強制労働に利用している企業は、強制労働によって製造した製品の輸入を禁じ、サプライチェーンへのリスクに関する報告を義務付ける法律に違反している可能性がある」と指摘している。(c)AFP