【3月2日 AFP】オーストラリアの夏は気候変動の影響で最長1か月以上も長引く傾向にあり、冬は逆に短くなっているとの研究結果が2日、発表された。

 豪シンクタンク「オーストラリア研究所(Australia Institute)」によると、国内の広域では近年、「夏の気温」を観測する日数が1950年代と比べて年平均31日増えているという。

 例えば、シドニーでは夏の気温の観測日数が平均28日増えたが、メルボルンでは同38日増だった。また、昨年9月から数か月にわたり森林火災に見舞われたニューサウスウェールズ(New South Wales)州のポートマッコリー(Port Macquarie)などではさらに長く、7週間も夏が増えていた。

「1950年代に一般的に夏とみなされていた3か月間の気温が、今や11月上旬から3月中旬までずっと続いている」と、オーストラリア研究所で気候・エネルギー関連プログラムを統括するリッチー・マージアン(Richie Merzian)氏は指摘。「夏は近年さらに長期化しており、直近5年間では冬の長さの2倍になった」と述べた。

「冬の気温」の観測日数は首都キャンベラで35日、東部沿岸のブリスベン(Brisbane)では31日減っていた。

 マージアン氏は、冬が短くなれば森林火災を防ぐ準備期間も短縮され、猛暑が健康や経済に及ぼす悪影響と相まって、オーストラリアの夏は地球温暖化のため危険度が増していると警告している。(c)AFP