【3月1日 AFP】29日に行われた19-20ドイツ・ブンデスリーガ1部、第24節の1899ホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)対バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の試合で、ホッフェンハイムの支援者を侮辱する横断幕が出されたことを受け、両チームが試合の続行を拒否する出来事があった。

 この試合では、アウェーへ遠征してきたバイエルンサポーターの陣取る一画で、「ブンデスリーガは約束をたがえ、くそったれのホップが今も居残っている」という、ホッフェンハイムを後援するディートマー・ホップ(Dietmar Hopp)氏を軽蔑する横断幕が掲示されたため、長い中断が入った。

 バイエルンは、ハンジ・フリック(Hansi Flick)監督やカール・ハインツ・ルンメニゲ(Karl-Heinz Rummenigge)社長らとともにチーム総出で横断幕を片付けるよう要請したが、最終的にファンが応じなかったため、試合は両チームが最後の約10分間のプレーを拒否し、敵味方でパスを交換し合う異様な状況のまま終了のホイッスルを迎えた。

 ルンメニゲ社長は、「FCバイエルンの名を汚した」「無秩序な者たちのことが非常に恥ずかしい」と話し、問題のファンに「全力で対処する」ことを誓った。

「遅すぎたかもしれないが、きょう、ブンデスリーガ全体がこうした無秩序な者たちに対して行動を起こすべき瞬間が訪れた」「われわれはともに立ち上がる必要がある。あまりにも長く目を閉ざしすぎたが、これはサッカーの醜い一面だ」

 ドイツサッカーリーグ機構(DFL)のクリスチャン・サイファート(Christian Seifert)最高経営責任者(CEO)は試合後、両チームに対して何らかの処分を下すことはないと示唆した。サイファートCEOは、両チームが「模範的なやり方で状況に対応し、サッカー文化の一部にはびこる勝手なルールに対して、ああいった行為を容認しないという明確なメッセージを発した」と話している。
 
 試合はバイエルンが6-0で勝利。今季リーグ戦25得点のロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)が負傷により1か月離脱するとみられる中、5選手が得点者に名前を連ねてエース不在も問題にならなさそうな印象を残した。

 他会場では、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)が1-0でSCフライブルク(SC Freiburg)との激戦を制し、首位バイエルンとの勝ち点差を維持した。

 強風の吹く本拠地ジグナル・イドゥナ・パルク(Signal Iduna Park)で、15分にトルガン・アザール(Thorgan Hazard)の絶妙な折り返しにジェイドン・サンチョ(Jadon Sancho)が合わせて今季リーグ戦14ゴール目を決めると、この1点を守り切って勝利した。(c)AFP/Dan WIGHTON