【2月28日 AFP】反イスラム的とされる市民権法改正をめぐるデモが続くインドの首都ニューデリーでここ数日間、ヒンズー教徒とイスラム教徒の衝突が発生しており、27日までに38人が死亡した。ニューデリーではがれきが散乱する中、機動隊や民兵組織数千人が警戒態勢を敷き、緊張状態が続いている。

 ヒンズー教徒とイスラム教徒による衝突は23日に発生。刃物や銃で武装した集団が数千戸もの建物や車に放火するなどし、24日から25日にかけて死者が出た。負傷者は200人を超えている。

 ニューデリーのグル・テグ・バハダ病院(GTB Hospital)の犠牲者名簿をAFPが確認したところ、氏名からの推測ではヒンズー教徒とイスラム教徒がおよそ半数ずつだった。

 ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)政権による市民権法改正に対する抗議デモは数か月に及んでおり、昨年12月には少なくとも30人の死者が出た。インドに暮らす2億人のイスラム教徒の多くは、新たな市民権法によって国籍を失ったり、収容所へ送られたりする可能性があると懸念している。

 イスラム系住民や政権批判勢力は、かつて非合法組織だったヒンズー至上主義団体「民族奉仕団(RSS)」とつながりのある右派のモディ政権が、公式には世俗国家であるインドをヒンズー国家に改造したがっているとみている。(c)AFP/Jalees Andrabi and Bhuvan Bagga