【2月25日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の元スター選手で、先月26日のヘリコプター墜落事故で亡くなったコービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏(41)の追悼式が24日に行われ、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏らレジェンドが涙ながらに哀悼のスピーチをした。

 NBA史上最も偉大な選手と称されているジョーダン氏は、「コービーが亡くなったとき、自分の一部も死んだ。このアリーナや世界中を見渡してみても、みんな一部が死んでしまった」「約束する。これから先、自分には弟がいたという思い出と認識と共に生きていく」「安らかに眠れ、弟よ」と涙を流しながら話した。

 事故で娘のジアナ(Gianna Maria-Onore Bryant)さん(13)ら同乗者8人と共に犠牲になったブライアント氏の追悼式は、同氏が現役時代の17年間を通してファンを熱狂させ、「コービーが建てた家」と言われるレイカーズの本拠地ステープルズ・センター(Staples Center)で執り行われた。2月24日という日取りには、ブライアント氏の背番号24とジアナさんの背番号2に合わせるという重要な意味合いが込められている。

 大勢の元スター選手らが出席したこの日の追悼式では、もう一人のバスケットボール界の伝説的選手、シャキール・オニール(Shaquille O'Neal)氏もスピーチを行い、ブライアント氏と一緒にNBAファイナル3連覇を果たしたことに言及して喝采を浴びた。

「コービーと私は高め合い、バスケットボール史上屈指のレベルでプレーした。シャック(Shaq、オニール氏の愛称)とコービーがいたレイカーズが成し遂げて以来、スリーピート(3連覇)を果たしたチームは他にないことを誇りに思う」

 オニール氏はブライアント氏と確執を抱えていた有名なエピソードについても触れ、「対立もしたし、ふざけ合ったり、ののしり合ったりもした」と話すと、それでも互いの間にはリスペクトがあったと明かした。「それは間違いない」「周囲は私たちの仲が険悪だと考えていたが、カメラが回っていないときには、互いにウインクをしていたものだ」

 ブライアント氏の妻ヴァネッサ(Vanessa Bryant)さんは、事故以来初めて公の場に姿を現し、夫が「自分のすべて」だったとすると、ブライアント氏とジアナさんがいない人生は考えられないと涙ながらに話しつつ、「二人がお互いなしではこの世界に存在できないということを神は知っていた」「神は二人を一緒に家に帰さなければならなかった」と述べた。

 4人いる娘の次女だったジアナさんについて、成長の過程や人生の大切な瞬間を見届けることができないことに胸が張り裂けているというヴァネッサさんは、会場からスタンディングオベーションを受けながら、「結婚式で、きれいだねと言えなくなってしまった」「私のかわいい娘が通路を歩き、父親と一緒にダンスをする姿を見ることは決してありません」と語った。

 追悼式の出席者には、ブライアント氏と家族の写真が載せられた24ページのプログラムのほか、ピンバッジや同氏とジアナさんの姿が背中にプリントされた黒いTシャツが配られた。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT