【2月20日 AFP】シリア・イドリブ(Idlib)県では、日常の一部と化した紛争から逃れることはできない──。

 そのような状況のなか、娘のサルワ(Salwa)ちゃんを安心させる唯一の方法が「空爆の音をゲームに変える」ことだったとアブドラ・モハメド(Abdullah al-Mohammed)さんは語る。

 アブドラさんはこの方法を2年前に思いついた。「その日は休日だった。子どもたちが遊んでいると空爆の音が聞こえ、サルワも怖がった。すぐにサルワを抱きかかえ、『心配しないで。他のお友達が遊んでいるだけだよ。怖がらないでね』と話した」

 すぐにそれがいいアイデアであることに気が付いた。「サルワは(空爆の音を)他の子どもが遊んでいる音だと信じていたから。それ以降、飛行機の音がすると私はスマートフォンを取り出して、『ねえ、笑おう。お友達が遊んでいるよ。お休みだから…』などと話している。空爆の音が、悪いことだと思わせないように、怖い思いをさせないように」

 空爆の音が聞こえてくるたびに声をあげて笑うサルワちゃんの動画は、どこかほほえましくも、イドリブ県での現実を見る人に突きつけるものだ。動画はここ数日、SNSで広く拡散している。

 映像は18日撮影。スマートフォンで撮影された動画はアブドラさん提供。(c)AFP