【2月19日 AFP】新型コロナウイルスにより横浜港で隔離状態に置かれているクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)の乗客であるオーストラリア人夫婦が、ドローンでワインを部屋まで配達してもらったという話が、2月に入って世界中のメディアで取り上げられ、ソーシャルメディアで拡散した。

 だが、この話は真実ではない。夫婦は後にオーストラリアのラジオ番組で「悪ふざけだった」と明かしている。

 デイブ・ビンスキン(Dave Binskin)さんとジャン(Jan Binskin)さんは7日、2人の共同のフェイスブックアカウントにワインの画像を投稿した。写真のキャプションには「ネイキッド・ワインクラブ(Naked Wine Club)、あなたの(原文ママ)素晴らしい最初の配達を受け取った。ドローンのおかげだ。日本の海上保安庁は何が起きているのかまったく知らない」とあった。

 香港に拠点を置くオンラインサイト9GAGは13日、「クルーズ船に隔離の豪夫婦、ドローンでワイン受け取り」との見出しで、この話を伝えた。

 記事には「クイーンズランド(Queensland)出身のデイブ・ビンスキンさんとジャンさんは東京沖に停泊するダイヤモンド・プリンセスでの退屈な旅と酒盛りの様子を記録にとどめた」「2人はネイキッド・ワインクラブに、ピノノワール2本をドローンで船室のドアの前まで配達してもらった」と書かれていた。

 ダイヤモンド・プリンセスは、新型コロナウイルス感染による14日間の隔離措置が取られており、ビンスキン夫婦も船に足止めされていた。

 このドローンによるワイン配達の話は、英紙デーリー・メール(Daily Mail)のインターネットサイト「メールオンライン(MailOnline)」や米ニューヨーク・ポスト(New York Post)紙、米拠点のテクノロジー関連サイト「ギズモード(Gizmodo)」などでも報じられた。