【2月17日 AFP】NBAオールスターゲーム2020(2020 NBA All-Star Game)が16日、米イリノイ州シカゴのユナイテッド・センター・アリーナ(United Center Arena)で行われ、レブロン・ジェームズ(LeBron James)率いるチームレブロンが157-155でヤニス・アデトクンポ(Giannis Antetokounmpo)率いるチームヤニスに勝利した。

 殿堂入り選手のマジック・ジョンソン(Magic Johnson)氏がコービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏を悼む感動的なセレモニーで始まった祭典は、チームレブロンのカワイ・レナード(Kawhi Leonard)がコート上の主役となり、最後は地元ファンお気に入りのアンソニー・デイビス(Anthony Davis)がフリースローを決めてチームレブロンが勝利した。

 レナードは30得点7リバウンドをマークし、「コービー・ブライアントMVP賞(Kobe Bryant MVP Award)」を獲得した。同賞は、ヘリコプター墜落事故により、娘のジアナ(Gianna Maria-Onore Bryant)さんら8人とともに亡くなったロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の元スーパースターにちなみ、今回からこの名称に変更された。

 ロサンゼルス東部のリバーサイド(Riverside)で育ったレナードは、「僕のためにしてくれた全てのこと、長いおしゃべりや練習について、コービーに感謝したい。ありがとう」とコメントした。

 今回のオールスターは、ほぼダンクコンテストと化した緩い雰囲気のライジングスターズ(2020 NBA Rising Stars)とは対照的な非常に本気度の高い試合となり、アデトクンポが25得点11リバウンドでけん引したチームヤニスも最後まで食らいつく接戦だった。レナードも「みんなチャージしてたし、ダッシュでディフェンスに戻っていた」と話した。

 また今回は普段と異なる方式で試合が行われ、先に157点を取った方が優勝となる中、チームレブロンは156-155の場面でカイル・ローリー(Kyle Lowry)のファウルによりフリースローを獲得すると、デイビスが2本目を沈めて決着をつけた。

「チームメートに言っておいたんだ。2本目で自分にもっとプレッシャーをかけるために、1本目は外すってね」と話したシカゴ育ちのデイビスが、まさにその通りにフリースローを沈めたことは、ブライアント氏を悼んだジョンソン氏のスピーチで始まった試合の幕切れにふさわしいものだった。

 ブライアント氏と同様にレイカーズのレジェンドであるジョンソン氏は、集まった2万900人のファンに向かって、年始にこの世を去ったデビッド・スターン(David Stern)前コミッショナーにも哀悼の意を表しつつ、「コービーのようなバスケットボール選手は二度と現れないでしょう」「1試合81得点。最終戦で60点。そして5度のファイナル制覇」と話した。

 ジェームズは16回目のオールスターの先発を飾り、ブライアント氏と並んでいた最多記録を更新した。ブライアント氏は他に、オールスターでMVPを4回獲得した記録も持っており、チームヤニスは同氏が現役時代に着けていた背番号24、チームレブロンはバスケットボール選手だった娘のジアナさんの2番を着け、二人への敬意を示した。

 チームレブロンが獲得した賞金40万ドル(約4400万円)は、若者を支援する地元の慈善団体「シカゴ・スカラーズ(Chicago Scholars)」に寄付される。(c)AFP