【2月17日 AFP】欧州南天天文台(ESO)が14日、ここ数か月にわたって異例の減光が続いているオリオン座の赤色超巨星「ベテルギウス(Betelgeuse)」の撮影に成功したことを明らかにした。

 ベテルギウスは銀河系で最も明るい恒星の一つとして知られているが、昨年末から暗くなり始め、現在では通常時の36%の明るさになっている。ESOによると「肉眼でもその変化が分かるほど」だという。謎の減光をめぐっては、超新星爆発の前触れと考える科学者もいる。

 ESOは、「星の表面を撮影した新たな画像は、ベテルギウスが暗くなっている様子だけではなく、形状の変化も捉えていた」と説明している。

 ベルギー・ルーベンカトリック大学(KU Leuven university)の天文学者ミゲル・モンタルジェス(Miguel Montarges)氏率いる研究チームは、減光の謎を探るため、昨年12月からESOの超大型望遠鏡VLTによる観測を続けている。今回の撮影にもVLTが用いられた。

 減光について研究チームは、「前例がない規模だが、ベテルギウスが爆発寸前であるとは考えられない」との見方を示している。

 ESOは、「ベテルギウスもいつかは超新星爆発を起こすが、天文学者らはそれが今ではないと考えている」と説明し、今回の減光が例外的な活動により表面温度が下がったか、「地球に向かってちりを放出している」事象が原因と考えられていることを指摘した。

 また、ベテルギウスの表面は、移動、縮小、膨張する巨大な対流セルで覆われているという。「ベテルギウスは心臓のように鼓動しており、定期的に明るさが変わる」とESOは述べている。(c)AFP