【2月19日 CNS】新型コロナウイルスによる肺炎対策のため、中国の市民は「接触なし生活」を始め、民間の感染拡大防止の知恵と力量を示している。

 オンライン決済サービス支付宝(アリペイ、Alipay)を運営する螞蟻金融服務(アントフィナンシャル、Ant Financial)の11日付の情報によると、中国初のスマート居住区防疫システムが安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)の居住区で始動。デジタル技術がもたらす「接触なし生活」のおかげで、居住区の感染防止能力はさらに高まった。

「支付宝」のモバイル端末を利用したマスクの予約、病状報告、居住区の出入り管理など、多くの対策と生活関連サービスを結集した多機能型居住区防疫ミニプロセスで、居住区現場で仕事をする作業員の出入りの登録、健康状態確認の通知などにも役立つという。

 このスマート居住区防疫システムは10日現在、すでに合肥市の6か所の居住区で使われ始めており、11日以降は上海市や安徽省蕪湖市(Wuhu)など長江三角州(Yangtze River Delta)エリアの都市に広げていく予定だという。

「接触なし」は市民の生活面だけでなく、学校や企業でもそれぞれ進んでいる。

 陝西省(Shaanxi)政府は、省内全ての学校を3月2日まで休校にした。同時に「教育システム心理支援プラットフォーム」を立ち上げ、省内79か所の大学、高等専門学院が電話ホットライン、コミュニケーションツールQQ、微信(ウィーチャット、WeChat)などを通じ、教師、学生および社会一般に対して心理カウンセリングやネット補習授業などのオンラインサービスを始めた。

 各地の企業で従業員採用のオンライン化が進んでいる。企業はショートメール、微信の公式アカウントなどインターネットを通じて人材募集情報を流し、電子メールやファクス、画像通信などを利用して筆記や面接試験を行うようになった。ある総合メーカーの人事担当者は「採用集会や学校で募集していた時よりも、今の方が履歴書提出が増加した」と話す。

 働き方の変化も始まっている。長沙市(Changsha)の新材料企業の人材募集責任者、閻軍(Yan Jun)さんは「感染防止対策のため、従業員に移動のチケットを買い、マスクを配り、また在宅勤務などの個人事情を考慮した人道的対応を行っている」と話す。

 感染防止対策を契機に盛んになったインターネット対応、オンライン遠隔採用試験などは、おそらく「新たな日常形態」になったのではないだろうか。(c)CNS/JCM/AFPBB News