【2月16日 AFP】同性愛を嫌悪する発言を繰り返してラグビーオーストラリア代表を追放されたイズラエル・フォラウ(Israel Folau)が、1月に加入したフランスのラグビーリーグ(13人制)のチーム、カタラン・ドラゴンズ(Dragons Catalans)で公式戦デビューを飾り、トライも決めてチームの勝利に貢献した。

 先月28日にドラゴンズに加入した30歳のフォラウは、スーパーリーグのカッスルフォード・タイガース(Castleford Tigers)との試合に臨み、開始早々の6分、ハイパントのボールをつかむとそのままチーム2本目のトライを決めた。

 チームを率いるスティーブ・マクナマラ(Steve McNamara)ヘッドコーチ(HC)は、英紙ガーディアン(Guardian)に対して「あれこそ私たちがイズラエルに求めていたものだ。他には何もない」「われわれが契約したのは非常に優秀な選手であり、そのことを自ら証明した。誰しもセカンドチャンスを与えられるべきだ」とコメントした。

 15人制と13人制双方でのプレー経験を持つフォラウは、13人制に出場するのは母国のブリスベン・ブロンコス(Brisbane Broncos)でプレーしていたころ以来10年ぶりで、15人制を含めても、2019年4月のNSWワラタス(NSW Waratahs)での試合以来となる公式戦だった。

 30分には自身2本目のトライのチャンスもあったが、ゴールラインまであとわずかというところでタックルを浴びた。それでもチームは8000人以上のファンが見つめる前で36-18の勝利を飾り、今季初白星を挙げた。

 試合前のメンバー発表の際には本拠地のファンが名前を連呼したフォラウだが、13人制復帰は他チームの反発を呼び、今後は「物議を醸す選手との契約」をリーグが阻止できるように規則が変更された。他チームのあるHCは、フォラウ参戦の話題については厳しいかん口令が敷かれていることを明かしている。

 15人制のオーストラリア代表でテストマッチ73試合出場、37トライの実績を残しながら、ゲイや自分が罪人とみなす人々には「地獄が待っている」とソーシャルメディアに書き込んで代表を追放されたフォラウは、ドラゴンズの地元紙に対して、引退も頭をよぎったと話している。

「キャリアに幕を下ろし、別の何かを始めることも考えていたから、この機会をくれた会長とHCに感謝している」「自分にとっては大きなチャンスだ。またラグビーリーグでプレーし、フランスやこの国の文化に触れられるとは思っていなかった」 (c)AFP