【2月14日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)は13日、新型コロナウイルスの影響により、4月に予定されていた7人制ラグビーの香港大会とシンガポール大会を10月に延期すると発表した。アジアではこれまでにも同様の理由で、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)をはじめ、ゴルフやサッカーの大会が日程変更を余儀なくされている。

 ワールドラグビーはコメント文を発表し、東京五輪に向けた前哨戦の延期を決断したことについて、「新型コロナウイルスの大流行で、健康への不安が続いていることを受けての措置」とすると、「選手、ファン、そして大会関係者全員の健康と安全が常に最優先である」と説明した。

 12日には、4月19日に上海で決勝レースが予定されていたF1の中国GP(Chinese Grand Prix 2020)も延期されており、日程が変更された中では最も大きなスポーツ大会となっている。

 ワールドラグビーセブンズシリーズ(World Rugby Sevens Series)で最大のイベントである香港セブンズは、当初4月3日から5日まで、シンガポールセブンズはその一週間後に行われる予定だった。両地域は現在、新型ウイルスの感染者がそれぞれ50人以上ずつ出て、香港では1人が死亡しており、その対策が急がれている。

 新たな日程ではシンガポール大会が10月10日と11日、香港大会が同16日から18日に行われ、今年のシリーズ10大会を締めくくることになっている。

 1976年から毎年北半球の春に行われている香港セブンズは、同都市で昨年から続いている民主化運動や中国と米国の貿易戦争の影響で景気が落ち込んでいる中で、重要な収入源でありイベントとなっている。また、カラフルに彩られるこの3日間は、セブンズシリーズを象徴する大会として知られており、ラグビーが五輪競技に含まれる原動力となっていた。

 香港ラグビー協会(HKRU)の責任者はAFPの取材に対して、香港セブンズが2021年大会は例年通りに開催される予定であることに加え、2020年大会とは半年間しか期間が開いていないにもかかわらず、両大会のチケットは完売になる見通しだと述べている。(c)AFP/Talek HARRIS