【2月12日 AFP】新型コロナウイルスの流行は中国のせいだとする曲を番組でかけたオランダのラジオDJが謝罪に追い込まれた。

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 オランダのラジオDJ、レックス・ガースイス(Lex Gaarthuis)氏は先週、オランダのラジオ局Radio 10で担当している自分の番組で、オランダ語の発音が似ている「中国」と「治療」を語呂合わせにした「中国よりも予防がまし」という題名の風刺的な曲をかけた。

 同国の公共放送NOSの報道によると、さらに同氏は「臭い中国人」「中国料理を食べなければ、心配することはない。中国よりも予防がましだからね」などと発言。多くの批判を招き、8日、番組内で中国系コミュニティーに謝罪した。また10日の番組内でも「大きな過ちだった」と反省を語った。

「差別的」で「非人道的」な曲だと非難する全国規模の署名も開始され、これまでに5万1000筆以上が集まっている。署名の呼び掛け人は「ラジオ10みたいな人々がなぜ、深刻なウイルスと中国系の人々や、中国料理を食べる人たちをあえて結び付けたりするのだろう」「病気やウイルスについて冗談を言ってはいけない。あの曲の歌詞が、がんに関する内容でも笑うのだろうか?」と批判。「私たちは日々、『ジョーク』と称するものや受け入れがたい言論に遭遇している。もうたくさんだ」と述べた。

 NOSによると、オランダの中国系組織57団体も「差別的で、憎悪をあおる」曲と非難している。(c)AFP