【2月11日 Xinhua News】中国内外の科学者は10日、北京市で会見し、以前ミャンマーで入手した白亜紀の琥珀(こはく)の中から、約1億年前の古鳥類、エナンティオルニス類の翼を新たに発見したことを明らかにした。白亜紀の古生物の多様性と進化を研究する上で重要な意義を持つ。

 研究は、中国地質大学(北京)(China University Of Geosciences, Beijing)の邢立達(Xing Lida)副教授、カナダのロイヤル・サスカチュワン博物館のライアン・マッケラー教授、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の米国籍研究員、ジンマイ・オコナー氏が共同で行ったもので、研究成果はこのほど、国際的学術誌「Cretaceous Research」(白亜紀研究)に掲載された。

 この琥珀はミャンマー北部カチン州(Kachin)のフーコン渓谷で見つかったもので、地質学者の火山灰測定により、約9900万年前の白亜紀後期の初めに形成されたことが明らかになった。このことから同渓谷は、人類が白亜紀の世界を理解する入り口とされている。

 琥珀は長さ5.3センチ、重さ79.4グラムで、古鳥類の右の翼にある手の骨が少量含まれていた。認識できる骨の長さは1センチ未満で、ねじれて固まった指骨と不完全な中手骨が含まれている。邢氏は、骨の比率の特徴からエナンティオルニス類の骨だと判断できると指摘。エナンティオルニス類は、白亜紀によく見られる顎に歯を持つ鳥類の一種で、肩甲骨と烏口(うこう)骨のつながり方が現代の鳥類と逆であることから、反鳥類とも呼ばれ、恐竜と同様に白亜紀末期に絶滅したと紹介した。

 この他、翼に生えた羽毛の一部も残っており、最も長いものは37ミリだった。邢氏は、羽毛の長さと体長の比率から、このエナンティオルニス類は頭骨の後縁部から趾骨(しこつ)後縁部までの長さが約10センチだと推定したことを明らかにし、「かなり大型のエナンティオルニス類だと考えられるが、エナンティオルニス類が細分化した新たな種の可能性もある。いずれにしても、ミャンマーの琥珀の中から発見された古鳥類の大きさに関する研究者の認識を広げるものだ」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News