【2月8日 AFP】米大リーグ(MLB)、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)の前監督であるA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)氏は、サイン盗みのスキャンダルによって同球団が成し遂げた2017年のワールドシリーズ制覇に汚点がついたかという問いかけに対し、「もっともな質問だ」と答えた。

 ヒンチ氏とジェフ・ルーノウ(Jeff Luhnow)ゼネラルマネジャー(GM)は、選手が電子機器を使って相手投手の球種を盗んでいたことを止められなかったとして、MLBからそれぞれ1年間の職務停止処分を受けた後、球団から解雇された。アストロズには罰金500万ドル(約5億5000万円)が科され、2020年と2021年のドラフト1巡目と2巡目の指名権も剥奪された。

 2017年のワールドシリーズで、アストロズはロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)を4勝3敗で下してタイトルを獲得したが、サインを盗むためにセンターフィールドにビデオカメラを設置し、チームのダッグアウト付近に置かれたモニターでその映像を確認した後、ごみ箱をたたくなどして打者に球種を伝えていたことが調査で発覚した。

 専門チャンネルMLBネットワーク(MLB Network)のインタビューで、先月チームを解雇されて以降初めて公の場でコメントしたヒンチ氏は、ワールドシリーズのタイトルが汚されたと思うか聞かれると、「もっともな質問だ」「この問題はおのおのが結論を導く必要があると思う」と答えた。

「時間の経過と共に、そしてこのチームのタレント、選手、その現在進行形のキャリアをもって、タイトルが汚されていないと証明されることを願っている。われわれは同じチームにスポーツ界でも最高のプレーヤーがそろっている」「だがその質問は理解できる。残念ながら、われわれは集団でその扉を開けてしまった。この質問はいつまでも答えが出ないかもしれないし、自分たちも分からないかもしれない」

「われわれは生きて前進し、このスポーツでより良い存在にならなくてはならない。しかし、残念ながらその質問に答えられる人はいないと思う。あれでどんなアドバンテージが生じ、何が起きたのか、またはやっていなければどうなっていたのか、私には正確に指摘することはできない。(分かっているのは)自分たちでしでかしたということだ」 (c)AFP