【2月5日 AFP】世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)銅メダリストのサラ・アビトボル(Sarah Abitbol)さんが、10代の頃に元コーチから性的虐待を受けていたことを告発した問題で、フランスの検察が4日、捜査を開始したことを発表した。

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 アビトボルさんは先月に出版された本の中で、15歳から17歳だった頃に元コーチのジル・ベイヤー(Gilles Beyer)氏からレイプと性的虐待の被害を受けていたと告発。これを受け、ベイヤー氏は先週、アビトボルさんとの「不適切」で「親密な」関係を認め、「本当に申し訳ない」と謝罪していた。

 また仏スポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)も、ベイヤー氏とジャンロラン・ラクレ(Jean-Roland Racle)氏、ミシェル・ロッツ(Michel Lotz)氏から10代の頃に性的虐待やレイプを受けたことを告発する元スケーターの3人を特集した。ラクレ氏は疑惑を否定し、ロッツ氏は沈黙を守っている。

 こうした中で、検察はアビトボルさんの告発を中心に捜査を進めると発表し、さらに「被害者をすべて特定し、他に同様の違法行為がなかったかを確認することを目指す」と話した。

 元水泳選手のロクサナ・マラシネアヌ(Roxana Maracineanu)スポーツ相も、「強力なシグナル」だと捜査開始を評価し、「被害者の言葉に耳を傾ける必要がある」と述べている。

 その一方で、スポーツ相が辞任を要求しているフランス・アイススポーツ連盟(FFSG)のディディエ・ガイアゲ(Didier Gailhaguet)会長は、捜査が終わるまでは辞めるつもりがないことを明らかにした。

 ガイアゲ会長を解任する権限はないスポーツ相だが、会長が留任するのであれば、連盟に何らかの処分を科すと宣言している。ガイアゲ会長は、5日に記者会見を予定している。(c)AFP/Andréa BAMBINO Eleonore DERMY