【2月4日 AFP】アフリカで最もその名を知られた傭兵(ようへい)の一人、「マッド・マイク(Mad Mike)」ことマイク・ホアー(Mike Hoare)氏が2日、余生を送っていた南アフリカ東部ダーバン(Durban)の介護施設で亡くなった。100歳。遺族が3日、明らかにした。

 ホアー氏はコンゴ動乱への参戦や、セーシェルでのクーデター未遂を主導したことで知られている。

 ホアー氏は1919年、インドでアイルランド人の両親のもとに生まれ、英イングランドで学び、公認会計士の資格を取得した。

 第2次世界大戦(World War II)中には、英国軍のロンドン・アイリッシュ・ライフルズ(London Irish Rifles)連隊で小火器の扱いを学び、士官候補生として訓練を受けた。その後、インドとビルマ(現在のミャンマー)に送られた。

 1948年、南アフリカに移住した。

 ホアー氏は1964年、旧ベルギー領コンゴの独立をめぐる動乱で、モイズ・チョンベ(Moise Tshombe)氏に雇われ、共産主義の影響を受けた反乱を鎮圧。一躍名を上げた。鎮圧作戦は1年半続き、南アフリカ人を主とした兵士300人が参加した。

 筋金入りの反共産主義者だったホアー氏は南アフリカに帰国した時、「共産主義者どもを殺すのは、害虫を殺すようなものだ。アフリカの民族主義者どもを殺すのは、動物を殺すようなものだ」「わが部隊と私はコンゴに滞在していた20か月間で、コンゴの反乱分子を5000~1万人殺してきた。だが、まだ足りない。コンゴ人は2000万人いるが、私が現地にいたある時期には、その約半分が反乱分子だったと思っている」と記者団に語ったとされる。

 ホアー氏が率いた傭兵部隊の愛称は、「ワイルド・ギース(Wild Geese)」。アフリカの傭兵部隊の活躍を描き、英俳優リチャード・バートン(Richard Burton)らが出演した1978年の同名の映画の題材となった。(c)AFP/Susan NJANJI