【2月4日 AFP】内戦が続くイエメンで医療ケアを緊急に必要としている子どもたちが3日、反政府勢力が支配する首都サヌアから航空機で避難した。国連(UN)は今回の避難を皮切りに、今後こうした「救急飛行」が多数回実施されることを望んでいる。

 サヌアの空港から飛び立ったのは、子どもの患者7人とその親族。この空港では2016年以降、イエメン政府を支援するサウジアラビア主導の連合軍が民間機の締め出しを続けている。

 AFPの写真記者によると、国連の文字が書かれた航空機はその後、ヨルダンの首都アンマンに着陸。乗っていた患者らはバスに乗せられ、直ちに病院へと向かったという。

 国連のリズ・グランデ(Lise Grande)イエメン担当人道調整官は、交渉に数か月かかった避難プログラムの一環であるこの「医療救急飛行」によって、今後数日内にさらなる患者や家族がヨルダンやエジプトに渡る予定だと説明した。

 今回の避難は5年にわたる内戦の終結を目指す中での信頼醸成措置として、サウジ主導の連合軍が医療ケアを必要とする患者のサヌアからの渡航を許可した。

 サヌアの空港の全面再開は、反政府武装勢力「フーシ派(Huthis)」の主な要求であると同時に、国連主導の調停で追求されている課題の一つ。救急飛行の開始はそれに向けた一歩となり得る。

 イエメン内戦では数万人が死亡、数百万人が避難を余儀なくされ、国連が世界最悪の人道危機と呼ぶ事態になっている。(c)AFP/Jamil Nasser