【2月5日 CNS】中国・湖北省(Hubei)黄岡市(Huanggang)の共産党委員会は、同市衛生健康委員会の唐志紅(Tang Zhihong)主任の職務を解くことを決定した。新型コロナウイルスによる肺炎の対応に関係するこの人事の情報は1月30日夜、ネットを駆け巡った。

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 中国メディアとネットユーザーが唐志紅主任につけたあだ名は「1つの質問に3回『知らない』と言う主任」だ。

 黄岡市が武漢市に次いで第2の新型肺炎の流行地域となる中、中央政府から派遣された監督・調査チームの質問に、唐主任は「知らない」を繰り返すだけで、重点病院の収容能力、ベッド数、核酸検査能力など本来把握しているべきことにはっきりと答えることができなかった。

 このやり取りの場面はメディアで広く報道され、数時間後には免職が取り沙汰されることになった。

「新型肺炎と闘っているこの重要な時期に、政府の役人はとりわけ注目される。特に、重要な地位にいる幹部は、担当する職責を果たせる能力があるかを見られる。唐志紅氏の免職がこれだけ早く決められたのは、共産党が進めている責任追及制度の典型的な事例だ」と北京科技大学(University Of Science & Technology Beijing)の宋偉(Song Wei)主任は話す。

 具体的には、唐氏の免職は3つの重要な点があるという。

 まず、中国共産党はこれまで幾度も、無責任で不真面目な幹部やごまかして仕事をしない幹部に対して厳しく責任を追及すると言ってきた。唐氏の事例は、従来言ってきたことは脅しではなく、形式主義や官僚主義では済まされないことを表している。

 次に、黄岡市党委員会が唐氏の不作為や消極的な行為に対して早急に処分することは、国民が注目している事柄へのコミットメントであり、重要な時期に当地と地域に対して鳴らした警鐘でもある。

 さらには、新型肺炎との深刻な闘いが続けられている中でも、一部の役人、ひいては衛生保険部門の重要な幹部に消極的な行為や怠慢が存在していることが暴露された。こういった人物は厳しく処分されなければならないとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News