【2月3日 AFP】アスタナ(Astana Pro Team)に所属する自転車ロードレースの有力選手、ヤコブ・フグルサング(Jakob Fuglsang、デンマーク)が、堕ちた英雄ランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏らに禁止薬物を提供したとして永久追放された、ミケーレ・フェラーリ(Michele Ferrari)医師との関わりを疑われ、調査対象になっていることがデンマーク紙の報道で分かった。

 デンマーク紙のポリティケン(Politiken)は2日、国際自転車競技連合(UCI)に代わってドーピングコントロールに対応する機関、自転車反ドーピング財団(CADF)の「機密」報告書を入手したとして、その一部を次のように伝えた。

「CADFの情報では、ヤコブ・フグルサングがミケーレ・フェラーリ医師のプログラムに関与しており、またチームメートのアレクセイ・ルシェンコ(Alexey Lutsenko、カザフスタン)が、ニース(Nice)かモナコで行われた両者の面会の場に少なくとも1回は同席していたことが示唆されている」

「CADFは、フェラーリ医師が現在もアスタナに関わり続けており、(フグルサングの拠点がある)モナコなどで選手たちと面会したことをうかがわせる情報を入手している」

 現在34歳のフグルサングは、昨シーズンのクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(Criterium du Dauphine 2019)やリエージュ~バストーニュ~リエージュ(Liege-Bastogne-Liege 2019)を制しているトップ選手で、アスタナとの契約を更新したばかりだった。

 一方のイタリア人のフェラーリ医師は、薬物違反を認めてツール・ド・フランス(Tour de France)7冠を剥奪され、永久追放されたアームストロング氏のドーピングスキャンダルに関与し、米国反ドーピング機関(USADA)からこちらも永久追放を言い渡されている。

 フェラーリ医師は、現在アスタナの幹部となっているアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov)氏と働いていたこともある。ヴィノクロフ氏は2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得したが、2007年には血液ドーピングで2年間の出場停止処分を受けている。(c)AFP