【2月3日 CNS】中国・国家市場監督管理部総局は先月29日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、複数のマスクの便乗値上げを行った典型的な事案について公表した。北京で先日発生した「マスク10枚を850元(約1万3000円)で販売」の経緯が報告され、当事者は300万元(約4700万円)の罰金の支払いを命じられた。

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 市場監督管理部は近頃、感染拡大に乗じて便乗値上げを行ったマスクの不法販売店の摘発を行っている。

「便乗値上げ」に罰金!――北京市の「済民康泰大薬房」豊台区第五十五分店は、N95型マスクの価格を大幅に上乗せして、一箱850元で販売。同区市場監督管理局はこれが違法に当たると認定し、店には罰金300万元が科された。

「抱き合わせ販売」に罰金!――広東省(Guangdong)韶関市(Shaoguan)の「精心大薬房」城南店は、マスクを購入しようとした客に対し、風邪薬の「板藍根(バンランコン)」と「感冒用口服液」を合わせて買うよう求めた。「抱き合わせ販売」による違法な便乗値上げの疑いがあるとして、現地の市場監督管理局は処罰するとしている。

「価格表記なし」に罰金!――黒竜江省(Heilongjiang)納河市(Nahe)の「天一薬店」は、一箱3元(約50円)の使い捨てマスクを一箱20元(約310円)で販売。かつ価格ラベルを付けていなかった。現地の市場監督管理局は、便乗値上げと価格表記なしのという違法に当たる疑いがあるとして、近日中に処罰するとしている。

 国家市場監督管理総局は29日、テレビ会議を開催し、「価格と品質と供給を保つ」活動を始動した。スーパーチェーンの「物美(WU MART)」、ITの「阿里巴巴(アリババ、Alibaba)」、食品関連の「中粮集団(COFCO)」などの企業の責任者は、このテレビ会議で全国の消費者に対し、ウイルス感染の予防抑制期間中に対策用品や重要な生活用品の価格を上げないこと、品質を下げないこと、そして供給を途絶えさせないことなどを約束した。(c)CNS/JCM/AFPBB News