【2月1日 AFP】カトリック教会から「見捨てられた」後、売春に従事するなどして生き延びた元修道女たちが、バチカンにある施設で1年以上にわたり保護されていることが分かった。ブラジルのジョアン・ブラス・デ・アビス(Joao Braz de Aviz)枢機卿が、バチカンの月刊誌「女性と教会と世界(Women, Church, World)」2月号に掲載されたインタビューで明らかにした。

 先月23日に公開された新刊見本誌で同枢機卿は、バチカン市内の非公開の場所に避難施設が存在することを認めた。

 同枢機卿は、教会における女性の役割について幅広く取り上げたインタビューで、この施設の存在が、女子修道院から追い出され、行く当てを失ってしまうといった教会内部での虐待を矯正しようとするフランシスコ教皇(Pope Francis)の願いを明確に示すものと指摘。

「ときに修道女たちは、完全に見捨てられる」「だが変化は起きており、最も顕著な例はまさに、われわれまたは修道院長から追い出されて路頭に迷った修道女たち、とりわけ外国人の修道女たちを迎え入れる施設を、教皇がローマに設置すると決断を下したことだ」と述べた。

 この施設を訪問した同枢機卿は、そこで「傷ついた世界」を見た一方、「希望の世界」も目にしたと明かした。

 同枢機卿は、「この人々は修道女として修道院に入り、こうした状況に陥ってしまう。中には生計を立てるために売春を始めた事例すらあった」「元修道女が、だ!」と説明した。

 あるケースでは女子修道院長が、修道院から去りたい修道女から書類を取り上げる一方、修道女が出て行くよう命じられるケースもあるという。

  イタリア紙メッサジェロ(Il Messaggero)は先月24日、施設を運営する修道女の一団の話として、1年半前に設立された同施設に、10人未満の元修道女らが現在のところ迎え入れられていると報じた。

 女性たちは状況を整え、仕事を見つけるまでに必要とする間は施設に滞在することができるという。(c)AFP