【1月31日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)は30日、FWパコ・アルカセル(Francisco ‘Paco’ Alcacer Garcia)がスペイン1部リーグのビジャレアル(Villarreal CF)に移籍したと発表した。

 ドルトムントで約1年半のみプレーした26歳のアルカセルは、ビジャレアルと2025年までの契約を結び、ボーナスを含めた移籍金は約3000万ユーロ(約36億円)になると報じられている。

 ドルトムントのミヒャエル・ツォルク(Michael Zorc)スポーティング・ディレクター(SD)は、「ドルトムントのユニホームを着て、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたパコ・アルカセルに感謝したい。今後の健勝とサッカー界での最大限の成功を願う」とコメントした。

 けがが多いアルカセルは、2018年8月にFCバルセロナ(FC Barcelona)からローン契約で加入すると、最初の4試合で7ゴールを挙げるなど幸先の良いスタートを切っていた。

 昨年2月、ドルトムントが2300万ユーロ(約27億円)を支払ったことでアルカセルの契約は完全移籍に切り替わっていたが、同選手の調子はそこからは著しく下がり、けがに悩まされた。

 そして先月、オーストリア1部リーグのレッドブル・ザルツブルク(Red Bull Salzburg)から、2000万ユーロ(約24億円)の移籍金で加入した19歳の新鋭FWアーリング・ブラウト・ハーランド(Erling Braut Haaland)が最初の2試合で5ゴールを挙げると、アルカセルが先発の座を確保できる可能性は急激に小さくなった。

 ドルトムントにとってアルカセルの売却は、金銭面でMFエムレ・ジャン(Emre Can)をすぐさま獲得できるようになったことを意味する。

 移籍市場の最終日が31日に迫る中、ドルトムントは負傷中のMFトーマス・デラネイ(Thomas Delaney)の穴を埋めるべく、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)からジャンを獲得することで中盤の補強を目指している。

 ドルトムントのルシアン・ファーブル(Lucien Favre)監督は先日、ドイツ代表で25試合に出場している守備的MFのジャンについて「最終的が決断は下されていない」とするなど、慎重な姿勢を示していた。

 独誌キッカー(Kicker)は、ジャンの移籍金は約2300万ユーロ(約27億円)になると伝えている。

 来月1日に1部リーグでは初対戦となった昨年8月の対戦で1-3とまさかの黒星を喫したウニオン・ベルリン(1. FC Union Berlin)をホームに迎えるドルトムントは、ファーブル監督が称したような「悪い思い出」の借りを返そうとしている。

 ドルトムントのファンは、ハーランドが本拠地ジグナル・イドゥナ・パルク(Signal Iduna Park)で先発デビューすることを望んでおり、ファーブル監督も「それはあり得る。いずれ分かる」と語っている。

 ハーランドは「ベンチにいるとき、僕はゴールを決めることにより意欲的になる」と語っており、切り札としての現在の役割に満足していると明かした。(c)AFP