【1月29日 AFP】同性愛を嫌悪する発言を繰り返してラグビーオーストラリア代表を追放されたイズラエル・フォラウ(Israel Folau)が、フランスのラグビーリーグ(13人制)のチーム、カタラン・ドラゴンズ(Dragons Catalans)に加入することが発表され、関係者から非難の声が上がっている。

 熱心なクリスチャンであるフォラウは、ラグビーユニオン(15人制)のオーストラリア代表の看板選手だったが、ゲイや自分が罪人とみなす人々には「地獄が待っている」とソーシャルメディアに書き込み、2019年5月に同国ラグビー協会(Rugby Australia)との契約を打ち切られた。この判断を不服とし、協会を相手取って多額の損害賠償を求める訴えを起こしていたが、同12月に和解し、その後はラグビーリーグ復帰を模索していた。

 加入に際してフォラウは、ドラゴンズに行き着く原因となった騒動について「私は誇り高きクリスチャンだ。信仰は個人的なものであり、誰も傷つけるつもりはない。そういったことについて、これ以上のコメントは差し控えさせていただく」とだけ話し、「カタラン・ドラゴンズで、素晴らしいラグビーリーグに戻れることを楽しみにしています」と続けた。

 フォラウは母国オーストラリアでの13人制復帰は不可能と言われていたが、統括団体のラグビー・フットボール・リーグ(RFL)はフランスへの移籍に支障はないと話し、北半球の12チームで構成されるスーパーリーグで唯一のフランスのチームであるドラゴンズ加入が決まった。

 しかしフォラウのスーパーリーグ参戦は、関係者からの強い反発を招いている。

 同性愛をカミングアウトしているプロ選手のキーガン・ハースト(Keegan Hirst)は、ツイッター(Twitter)に「フォラウの契約合意にショックを受けているし、失望している」「われわれの素晴らしいスポーツには、同性愛嫌悪と闘い、競技として強く信じる価値観のために立ち上がる使命がある」と書き込んだ。

 スーパーリーグのエグゼクティブチェアマンを務めるロバート・エルストーン(Robert Elstone)氏も、リーグは「イズラエル・フォラウの過去の同性愛に対する発言を遺憾に思う。われわれのスポーツの中核価値に真っ向から反するものだ」とコメントした。(c)AFP/Alexandre PEYRILLE