【1月28日 CNS】中国の電気通信キャリア3社は26日、武漢市で緊急建設中の新型肺炎専門病院となる火神山医院で5G基地局開設を完了し、5Gネットワークを作り上げた。通信用鉄塔などの基本施設を手掛ける「中国鉄塔(China Tower)」は、移動通信の基本施設を2か所完成させ、23日に指令を受けてからここまで3日しかかかっていない。

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 3大キャリアの一つである「中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)」は、火神山医院で5G高速ネットワークと高精細度の画像端末を組み合わせ、いつでもどこでも遠隔治療の指揮ができるよう準備中だ。

 四川省(Sichuan)では26日、新型コロナウイルス肺炎の重症患者の遠隔合同診療が5Gネットワークを通して行われた。四川省の救急治療専門家チームの責任者で、四川大学(Sichuan University)華西医院の李為民(Li Weimin)院長ら専門家がこの合同診療に参加し、27の指定病院の医療関係者がこの遠隔診療を見守った。

「中国連通(チャイナ・ユニコム、China Unicom)」は22日、同グループの約100人のエンジニアから成るビッグデータチームを結成し、中央政府と地方政府の各部門に対し、感染予防と抑制に必要な人口流動についてビッグデータの分析・サポートサービスを行っている。成熟したアルゴリズムを用いてデータ分析とスマート応用を行い、全面的に疾病の感染対策をサポート中だ。

 26日の時点で、「中国連通」は31の省の通信監理局と衛生健康委員会に対しデータ分析報告書150部を提供し、今後も一層掘り下げたサポートを行うこととしている。

「中国移動」は27日、新型肺炎の感染期間中、クラウド+画像+通信機能によって300人が同時に参加できるオンライン会議サービスを無制限で提供することを発表。華為技術(ファーウェイ、Huawei)、中国連通、騰訊(テンセント、Tencent)も、特定の時間帯でテレビ会議サービスを無料で提供するとしている。テンセントは24日から3月1日までの期間、100人が無制限に参加できる会議機能を開放する。

 クラウドテレビ会議では、多数のサーバー群による分散処理システムを採用、ユーザーは既存の携帯電話やPCを使って多地域をまたがる多くのユーザーをつなげ、画像を見ながら交流することができるという。

 中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)は26日午後9時、火神山医院にクラウド・リソースの納入を完了。これにより、火神山医院はクラウド利用に関して大きな前進をし、診療サービスの情報化建設を一週間以内に完了するための基礎づくりを終わらせたとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News