【1月26日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)の男子シングルスで16強入りを決めたニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が、大会第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)との4回戦に向けて、価値観の違いはあってもナダルを「リスペクト」していると話した。

 キリオスは25日、第16シードのカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)との激闘を6-2、7-6(7-5)、6-7(6-8)、6-7(7-9)、7-6(10-8)で制し、自身最長となった4時間26分の戦いに勝利して、四大大会(グランドスラム)優勝19回のナダルとの4回戦に駒を進めた。

 直近の対戦となったウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)ではナダルが勝利したが、ハードコートではキリオスが2勝1敗と勝ち越している。

 また、両選手は険悪な仲で知られ、2019年のメキシコ・オープン(Abierto Mexicano TELCEL Presentado Por HSBC 2019)で対戦した際、キリオスのアンダーサーブやスロープレーに対する不満が「敬意に欠けている」とナダルが不快感を示すと、キリオスもインタビューで、ナダルは「めちゃくちゃぷりぷりしている」と軽蔑的な発言を返すなどしていた。

 今大会でもキリオスは、2回戦のジル・シモン(Gilles Simon、フランス)戦でスロープレーの警告を受けた際に、ナダルのおなじみのサーブ前のルーティンをふざけてまねしていた。

 しかしキリオスはハチャノフ戦の勝利後、「実際のところ彼のことが嫌いではない。全く知らないんだ。すさまじいテニス選手だが、彼のことは個人として知らない」とすると、「相手を好きかどうかはともかく、一定のリスペクトはあると思う」と話し、優れた選手だと認め合っているとコメントした。

「彼はテニス史に残る偉大な選手だし、前に読んだ記事では、俺の存在がテニスのためになっていると考えているらしい」「お互いに一定のリスペクトがあるんだ。好き合っているわけじゃないが、コートへ出ればそれぞれ対照的なプレースタイルと個性を見せればいい」

「結局のところ、二人は別のテニス選手で、テニスに向き合う姿勢が正反対というだけだ」「ウィンブルドンで負けたときは彼の方が上だった。だから握手をして、目を見ながら『強すぎだろ』って伝えたよ」

 一方のナダルも、キリオスをどう思うかという質問に対し、冷静に対応している。

「個人的に良くないと思うことをしているときの彼は気に入らない」「しかし優れたプレーをし、テニスへの情熱を見せているときの彼は、ツアーにとってプラスになる選手だ」

「最高のテニスをする準備ができ、情熱を持ってプレーしているときはツアー屈指の選手だよ。もちろん、他のことをしているときはいけ好かないけどね」 (c)AFP