【1月26日 AFP】スペイン1部リーグ、アスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)のイニャキ・ウィリアムス(Inaki Williams)が、25日に行われた敵地でのRCDエスパニョール(RCD Espanyol)戦で、相手サポーターからの人種差別に遭ったと話している。

 ウィリアムスは試合後、「少し悲しい。引き分けだったこともあるが、何より僕に対する人種差別的な侮辱があった」「黒人選手だろうが他の人種だろうが聞きたくない、完全に場違いな言葉だった」と明かした。

「ファンがスタジアムを訪れるのは、試合を楽しみ、チームを応援し、サッカーを楽しむためだ。サッカーは友情のスポーツ、チームスポーツだ」「しかし現実には、今話したようなことできょうは悲しい日になった。ああいった出来事は場違いだし、起こってはいけない」

 さらにウィリアムスはその後、自身のツイッター(Twitter)にも「きょうはとても悲しい日で、サッカー界で続いている人種差別がまた起こった。この流れを止めなくちゃいけない。みんなの応援に感謝する」と書き込んだ。クラブも「全力で支える。何よりもまず、人種差別は絶対に許さない」と後押しを約束した。

 主審は、公式リポートで人種差別に言及していない。また昨年12月に行われたラージョ・バジェカーノ(Rayo Vallecano)対アルバセテ・バロンピエ(Albacete Balompie)の2部の試合では、アルバセテのロマン・ゾズリャ(Roman Zozulya)が古巣のサポーターから「ナチス野郎」と罵声を浴びたため、両クラブ合意の下で試合は前半だけで中止になったが、今回はそのまま続行された。

 スペイン・リーグ(La Liga)やスペインサッカー連盟(RFEF)からこの件に関する正式なコメントはまだ出ていないが、リーグのハビエル・テバス(Javier Tebas)会長は、同日のバレンシア(Valencia CF)対FCバルセロナ(FC Barcelona)戦で両チームのファンが衝突したことも含め、サッカー界にとって暗い日だと話している。

 テバス会長はツイッターに「本日、われわれは数年前に始めた取り組みで一歩後退した」「バルセロナとバレンシアのファンの衝突、そしてイニャキ・ウィリアムスに対する人種差別が、スペインサッカーに甚大なダメージを及ぼしている」と書き込んだ。

「ラ・リーガは責任を持って、各クラブに過ちがあったかを確認していく」 (c)AFP