【1月25日 AFP】米当局は24日、米衛星放送のディレクTV(DirecTV)の通信衛星が搭載するバッテリーの異常により爆発する危険があるとして、衛星をいわゆる「墓場軌道」に移動させることを許可したと明らかにした。

 ディレクTVは米連邦通信委員会(FCC)に対し、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)製の重量3.6トンの通信衛星「Spaceway-1」のバッテリーに「重大な異常」が発生し、現在の軌道から300キロ上空に移動して廃棄する前に残りの燃料を使い果たす時間がないと報告していた。

 FCCの報道官は24日、今月19日にディレクTVに対して衛星を軌道から外す計画を20日から開始することを認めたとAFPに明かした。

 ディレクTVによると、Spaceway-1が地球の影を通過する2月25日までにこの計画を完了させる必要がある。同衛星は太陽光パネルで稼働しているが、影に入ればバッテリーに頼らざるを得なくなり、他の衛星にも影響を与えかねない「壊滅的な損傷」を引き起こす危険が高まるという。

 ディレクTVは、「この衛星は予備用であり、軌道から外れても消費者サービスへの影響はないとみている。当社の別の衛星と交換する」と述べた。(c)AFP