【1月19日 AFP】米フロリダ州マイアミビーチ(Miami Beach)で、数十台のトラックを使って数十万トンの砂を搬入するプロジェクトが始まった。同州の観光地を気候変動の影響から守るために米政府が講じた措置の一環だ。

「浸食のホットスポットがある」と、米フロリダ国際大学(Florida International University)で海岸と環境問題を研究するスティーブン・レザーマン(Stephen Leatherma)氏は話す。

「ビーチが非常に狭いと、そこにやって来る人全員がレクリエーションを行う十分なスペースがなくなる。さらに重要なのは、(ビーチ付近にある)こうした建物を全て保護しなければならなくなるかもしれないということだ」と、レザーマン氏は17日に語った。

 地元で「砂浜博士」として知られるレザーマン氏は、気候変動がもたらす海面上昇によって、マイアミビーチの海岸浸食が加速するだけではなく、沿岸部に嵐、特にハリケーンが接近しやすくなったと指摘している。

 米陸軍工兵隊(USACE)は今月、マイアミビーチで海岸が浸食された部分に23万3000立方メートルの砂を搬入する1600万ドル(約18億円)のプロジェクトに着手した。同プロジェクトはもともと、2017年の大型ハリケーン「イルマ(Irma)」による被害に対処するためのもので、ハリケーンからマイアミを保護して海岸の浸食を抑制するため、連邦政府が計1億5800万ドル(約174億円)の資金を投じた計画の一部だ。

 陸軍の発表では、毎日トラックで1回につき22トンの砂が100〜250回ビーチに投入され、今年6月まで続けられる。映像は17日、撮影。(c)AFP