【1月19日 AFP】四大大会(グランドスラム)の今季初戦、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)を控えるニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が18日、グランドスラム優勝を争うライバルからは一段落ちるという、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)の言葉を受け流した。

 ズベレフは先日、他の若手選手の方がキリオスよりも「単純に上」と発言。一方のキリオスも、国別対抗戦ATPカップ(ATP Cup 2020)でズベレフと対戦した際は、ダブルフォールトを犯したズベレフに対して、倒れ込んで腕立て伏せを始める挑発的なパフォーマンスを見せた。

 それでも、母国の森林火災被害に対し、先頭に立って支援金集めを進めてきているキリオスは「そのことで騒ぎ立てるつもりはない。いろいろある中で一番どうでもいい話だ」とコメントした。

「彼は素晴らしい選手だし、どういう文脈で出たコメントか分からない。悪い意味で言ったのかも定かじゃない。ただもしそうで、俺のやったことが気に障ったなら謝るよ」

 ズベレフは「今は良い若手がたくさんいる。言っては悪いが、(キリオスより)単純に上だ」「ステファノス(・チチパス<Stefanos Tsitsipas、ギリシャ>)の方が強いと思う。単純に5セットマッチでは彼の方が優れている」と話していた。

 しかしキリオス自身は、森林火災が多くの土地に燃え広がり、無数の家屋を焼く壊滅的な被害を出していることに胸を痛め、全豪オープンに集中するのは難しい状態だという。

「今はまだ、気持ちが完全なテニスのモードには入っていないと思う」「つらいよ。火災で家族や家を失った人がいるんだ」「全豪オープンに完全に切り替えるのは難しい。現実に起こっていることを脇に置いて、きょうのフォアハンドの調子を確かめるのはね」

 現在コーチ不在のキリオスは、ジョン・マッケンロー(John McEnroe)氏から指導役を引き受けてもよいと言われているが、打診を受けるつもりはないという。キリオスは「マックとは、これからも一緒にビールを飲むだけの仲だ。そんなところだよ」とコメントした。(c)AFP