【1月9日 AFP】フランス・パリのシャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)空港で8日、コートジボワールから到着した仏航空会社エールフランス(Air France)の旅客機の車輪格納部から、10歳前後とみられる男児の遺体が見つかった。男児は軽装で、密航しようとして凍死か窒息死したと捜査当局筋はみている。

 遺体が見つかったエールフランスのボーイング(Boeing)777型機は、7日夜にコートジボワールの最大都市アビジャン(Abidjan)を出発し、8日朝にパリ北郊のシャルル・ドゴール空港に到着した。男児はアビジャンの空港で車輪格納部によじ登ったとみられる。

 エールフランスは、男児の死を「人類の悲劇」と表現した。

 旅客機が飛行する高度9000~1万メートルでは、気温が氷点下50度程度まで下がるが、車輪格納部には暖房もなく、与圧すらされていない。欧米行きの旅客機では近年、車輪格納部に忍び込んだ密航者が凍死・圧死する事例が複数報告されており、多くはアフリカからの成人密航者だ。

 コートジボワールの治安筋はAFPに、「人間ドラマはさておき、この一件はアビジャン空港の保安対策に大きな不手際があったことを示している」と指摘し、男児が単独で旅客機の車輪格納部に侵入できたはずがないとの見方を示した。(c)AFP/Sarah Brethes with David Esnault in Abidjan