【12月26日 AFP】観光地として知られる南米チリの港町バルパライソ(Valparaiso)の丘陵地帯で24日、森林火災が発生し、丘の中腹に連なっていた家屋のうち245棟前後が被害を受けた。数十世帯の家族が家を焼け出された状態でクリスマスを迎えた。

 丘陵の住宅地一帯は数時間のうちに火の手にのみ込まれた。死者はいないが、150ヘクタールの土地が焼き尽くされ、ボランティアの消防士12人が負傷した。火災は勢いを弱めながらも、25日も続いた。

 バルパライソ州のホルヘ・マルティネス(Jorge Martinez)知事は26日、「完全に鎮火したとは言えないが、ほぼ収まって」おり、「もはや住民への危険はない」と述べた。

 バルパライソはチリの首都サンティアゴから北西約120キロにある都市。火災は林野地帯で発生し、急速に住宅地に拡大した。

 住民の一人(28)は「火災が発生したとき、私たちはパーティーの準備をしていた。すべてがあっという間に起こったので、何も持ち出せなかった」と述べた。

 また、別の住民は「近所の家や自宅が燃えるのを見るのは本当につらかった。不幸にも私たちは皆、家を失ってしまった」と涙をこぼした。

 森林火災の元となった小さな火災が発生した原因は調査中。ゴンサロ・ブルメル(Gonzalo Blumel)内相は「火災が意図的に起こされた可能性を示す兆候がいくつかある」と述べた。(c)AFP