【12月25日 AFP】(写真追加)台風29号(アジア名:ファンフォン、Phanfone)が24日、フィリピン中部に上陸し、クリスマス休暇で帰省しようとしていた数万人が足止めを受けたほか、多数が避難を強いられた。

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 ファンフォンは熱帯低気圧から台風へと勢力を強めた直後、貧困層が多く暮らすサマール(Samar)島の南端に上陸。風速は約42メートルで、木の枝が折れたほか、送電塔や携帯電話の通信塔が倒れる被害が出たが、今のところ死傷者は確認されていない。

 東サマール(Eastern Samar)州のベン・エバルドーン(Ben Evardone)知事はAFPに対し、「軽い素材でできた家屋を除き、大きな被害は出なかったとみられる」と述べた。

 フィリピンは国民の大半がカトリック教徒。沿岸警備当局によると、各港ではフェリーが欠航し、クリスマス休暇のため帰省しようとしていた乗客計2万3000人余りが立ち往生している。

 ある当局者はAFPに対し「クリスマスを自宅で祝うため避難を嫌がる世帯もあるが、勧告を聞かない場合は地元当局が強制的に退避させる」と説明。AFPが確認した公式集計によれば、沿岸部や洪水・土砂災害発生の可能性が高い地域の住民1700人近くが避難した。

 ファンフォンは25日に中部各島を抜け、南シナ海(South China Sea)に達する見通し。(c)AFP