【12月12日 AFP】ニュージーランド北部沖のホワイト島(White Island、マオリ名:ファカアリ、Whakaari)で9日に発生した火山噴火で、警察当局は12日、入院中だった2人が死亡し、死者は8人となったと発表した。行方不明者の数は8人から9人に増え、いずれも生存は絶望的とみられている。新たな噴火の可能性が高まっており、捜索活動は難航している。

 保健当局者によると、現在ニュージーランド国内で治療を受けている生存者は23人で、うち17人が重体。この他、5人がオーストラリアの病院に搬送された。生存者のやけどの症状は深刻で、移植用皮膚120平方メートル分をオーストラリアと米国から追加調達中という。

 新たに亡くなった2人については豪シドニーの高校が、同校に通う兄弟だと明らかにした。兄弟の両親は行方不明者リストに含まれている。

 噴火時、ホワイト島には国内旅行者や豪、米、英国、中国、ドイツ、マレーシアからの観光客とガイド、合わせて47人が滞在していた。警察によると、行方不明者9人のうち7人がオーストラリア人だということが分かっている。

 ホワイト島に最も近い町ファカタネ(Whakatane)近郊で複数の捜索隊が待機しているが、島への派遣はできない状況で、現地にはいら立ちが広がっている。

 地震学者らは12日、ファカタネの沖合約50キロメートルにあるホワイト島について、再び噴火が起きる可能性が50~60%あると発表した。今も火口からは有毒ガスが噴出し、酸性の火山灰が島を厚く覆っている。

 映像前半はオーストラリアの病院に搬送される生存者。テレビ・ニュージーランド(TVNZ)が11日撮影・提供。後半は噴煙が上がるホワイト島。TVNZが12日撮影・提供。(c)AFP