【12月11日 Xinhua News】中国の極地調査砕氷船「雪竜(Xuelong)2号」に乗った中国第36次南極科学観測隊の隊員は9日、南大洋コスモノート海で初の断面観測を完了した。中国の南極観測隊が同海域で総合科学観測を行うのは今回が初めて。

 同船は7日、プリッツ湾海域から西に向けて航行し、コスモノート海海域での科学観測作業を開始。観測隊員は調査断面に沿って北から南に向けて設置した複数の観測点で、CTD(電気伝導度水温水深計)による採水、プランクトンネットの鉛直曳(ひ)き、フレームトロールネットや箱型サンプラーなどを使ったサンプル採取などを実施した。

 今次観測隊の首席科学者、何剣鋒(He Jianfeng)氏は、雪竜2号が今回実施するコスモノート海での科学観測は、南大洋で国際的調査資料が乏しい海域の海洋生態系に対する学際総合調査が重点になると説明。南極の海洋生態系と気候変動の影響に対する国際社会の体系的な認識を高めるのが目的だと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News