【12月9日 AFP】米国生まれの子ども向けテレビ教育番組「セサミストリート(Sesame Street)」で、「ビッグバード(Big Bird)」とごみ箱の中に住む「オスカー(Oscar the Grouch)」を50年にわたって演じた米俳優のキャロル・スピニー(Caroll Spinney)さんが8日死去した。85歳だった。

 同番組を制作する非営利組織「セサミ・ワークショップ(Sesame Workshop)」は、長年、筋肉緊張の異常によって運動障害を引き起こす「ジストニア」を患っていたスピニーさんが、コネティカット州の自宅で亡くなったと明らかにした。

 セサミ・ワークショップは、「芸術的才能を持っていたキャロルは、その優しく愛情にあふれた世界観で、セサミストリートが1969年に始まってから50年間、番組を形作る上で助けになってきた」と称賛した。

 スピニーさんの死は、セサミストリートが米国の芸能分野での功績をたたえるケネディ・センター名誉賞(Kennedy Center Honors)を受賞し、首都ワシントンで授賞式が行われたのと同じ日に重なった。

 スピニーさんは昨年、多くの子どもたちを魅了したビッグバードとオスカーという2つの全く違うキャラクターを引き継ぐ俳優らを自ら指名し、番組から引退していた。引退に当たりスピニーさんは、自身の分身であるビッグバードが「私の心を開き、私の精神を育ててくれた」とコメントしていた。 (c)AFP